講座レポート
2021.07.22【7月18日(日)地震と津波の発生メカニズムと防災】・・終了しました。

本日は、つくばにある産業技術研究所(産総研)の藤原治先生を
お招きして、地震と津波の発生のしくみと防災について講演し
ていただきました。
日本は地震、台風、洪水等の自然災害が非常に多い土地で、
被害額ベースではこうした災害のうち、地震(津波を含む)が
80%以上と圧倒的に多くなっています。
ご承知の通り、地震や津波は海のプレートが陸のプレートに沈み
込み、この際に歪みが生じ、歪みの開放とともに起きます。
地震には活断層型と海溝型があり、活断層とは日本の国土には
2000本以上走っており、繰り返し(周期的に)地震を起こし、
将来も地震を引き起こす可能性の高い断層です。
活断層地震の予測のための周期を調べるには、器械や古文書の他、
地質掘って痕跡を調べるのが一般的ですが、海溝型の地震の予測は
深海にある断層を直接、調べられないため、海岸の地殻変動や津波
の痕跡から調べるそうです。
寒川は南海トラフより、相模トラフの関東地震の影響を強く受け
易く、関東地震は200年周期か400年周期で巨大地震が襲ってくるの
かは判断出来ないが、仮に200年周期とすると関東大震災(1923年)
から凡そ100年経過しているので、本震(M8)の余震としてM7クラス
の地震が活発化する可能性はあるとのことです。火災、家屋の倒壊
を避ければ多くの人は助かり、河川の浸水等は事前に寒川の防災
マップで確認しておくことが重要であると指摘され、参加者は納得
した様子でした。
2021.06.15【6月13日(日)大奥御台所篤姫と和宮~江戸無血開城に果たした役割とその後の生涯~】・・終了しました。

今回は皆さんご存知の13代将軍家定の御台所篤姫と14代家茂の
正室、和宮の歴史的役割と彼女たちの生涯について東洋大学教授、
岩下先生に解説していただきました。
篤姫は島津家一門から島津斉彬の養女として、愚昧?な第13代
将軍家定の3番目の正室として迎えられました。
篤姫は、世上で言われているように一橋慶喜を擁立するために
斉彬により将軍家に送り込まれたというより、島津家出身の11代
家斉の正室(広大院)が良妻賢母として立派であった為、将軍家輿
入れの島津家の姫として白羽の矢が立ったようです。
一方、14代家茂の正室、和宮は公武合体の強い政治潮流の中で
許嫁の有栖川宮との縁を切らされ、また、幕府への降嫁の条件が
十分満たされない中、いやいやながら徳川家に入輿しました。
武家育ちの篤姫と御所育ちの和宮は当初は、対立していましたが、
新政府軍の幕府討伐、徳川家の家名断絶の危機に瀕するとそれぞれ
の伝手で新政府軍に攻撃中止の嘆願書を書いたものの、手紙の意図
するところは新政府軍には理解されず、山岡鉄舟の駿府談判で幕府
の意向がやっと理解され、江戸無血開城に繋がっていきました。
公武合体や大政奉還といった大きな政治潮流の波に揉まれながら、
明治維新後も徳川家の女として逞しく生きた二人の生き様が良く
理解できました。
2021.06.15【6月12日(土)人権講座「他者へのまなざし~海外児童文学・YA文学に描かれる戦争と差別~」】終了しました

湘南出身の児童文学翻訳家の原田勝さんに、海外児童文学・YA(ヤングアダルト)文学に描かれる人権についていくつか具体的に作品を取り上げ講演をいただきました。
人権という難しいテーマについて、外国を舞台とした作品ということと児童文学というジャンルを通して考えることで、客観的に問題を捉えることが出来るということを解説いただきました。
国内における人権、差別、戦争といった問題に対しての扱われ方と、諸外国での扱われ方では歴史的背景や文化の土壌などから異なるといったことなどグローバルな観点で問題を考える機会にもなりました。
人権というものを啓発される、押し付けられるものとしてではなく、読書という個人的な営みを通じて個々で考え直すという取り組み方について、参加された方には新鮮な学びとなったようです。
2021.05.26【5月23日(日)歴史講座『浮世絵師 歌川国芳「きたいな名医難病療治」の描く大奥』】・・・終了しました。

今春の歴史講座は、東洋大学の岩下先生に幕末江戸城の大奥に
ついてご教授いただきます。
今回は幕末、江戸城の大奥について歴代の正室の出自、構造、職制
を学び、浮世絵師、歌川国芳の錦絵「きたいな名医難病療治」を
通して、当時の江戸庶民が見た大奥の実相について語っていただき
ました。
大奥の役割としては、1.奥向きの家政、2.年中行事の執行、3.継嗣
選定ですが、奥だけでなく、表の政治にも大きく関与していたことが、
大奥老女 姉小路局の政界地図や関係図で明らかにしていただきまし
た。
また、奥女中で城に上がるのは、その家にとっては名誉な事とさ
れていましたが、奥医師の桂川甫周の娘、今泉ミネの「なごりの夢」
の中では、奥女中となった叔母てやが御殿勤めは辛いとこぼしていた
り、普段、居住している長局が火事になっても火事装束に着替えない
と外に出られない、等、華やかな中でも不自由な生活をしていた事が
理解できました。
次回(6月13日)は、13代、14代の将軍正室、天璋院篤姫と和宮
の江戸無血開城の歴史的役割とその後の人生について先生に講演して
いただきます。
2021.04.24【4月4日(日)他 計3回 初心者ウクレレ講座】終了しました

お申込が多く急遽定員枠を広げての開催となりました。
楽器の持ち方からチューニング方法など基本から指導を受け、最終日の簡単な曲の合奏までほとんどの方が無欠席で熱心に学ばれました。講師のデモ演奏を聴きウクレレの魅力を感じ、さらに弾けるようになりたいとの思いを抱かれた方が自主サークルとして引き続き学ぶこととなりました。いずれは町民センターのホールで発表することを目標に、みなさん楽しみながら演奏を続けていただければと思います。
※講座の模様をYouTubeチャンネルにUPしています。
よろしければホームページ最下部バナーの「YouTube動画ギャラリー」かか、下記アドレスからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8Qyb6kdoSJc&t=12s
2021.03.30【3月28日(日)ふれあいコンサート】・・終了しました

コロナの緊急事態宣言が3月21日にあけ、何とか開催の
運びとなった今回の「ふれあいコンサート」です。
2年ぶりのこのコンサートを待ちわびていた沢山の方々が
鑑賞に来られました。
コロナ禍の中、今年は皆さんとの合唱は中止となりました
が、羽賀ゆかりさんのピアノ独奏ではショパンの夜想曲(ノ
クターン)作品9-2、トロイメライといった春に相応しい
いくつかの名曲を見事に弾いていただきました。また、曲の
合間にはクイズや楽しいトークでみなさんを飽きさせない
工夫も見られました。
また、柴山晴美さんは浜千鳥や宵待草といった皆さんが
ご存知の歌からオペラ「ルサルカ」よりアリア”月に寄せる
歌”などを澄み切ったソプラノで格調高く披露していただき
ました。コンサート後のアンケートでも「良かった」、「来年
も開催してほしい」とのたくさんの声が寄せられました。
コロナ禍の中で気鬱な日々を送られて方も多かったと思います
が、今日は皆さんには音楽で楽しいひとときを送ることが出来
たのではないかと思います。
2020.12.08【12月6日(日) 火山噴火と災害-南関東での噴火災害に備えて】・・終了しました。

産業技術総合研究所(産総研)地質調査総合センター、活断層・火山
研究部門長の伊藤順一先生をお招きし、「火山噴火と災害-南関東
での噴火災害に備えて-」と題して講演していただきました。
配布資料もスライドで使用するPower Point、レジュメなど沢山の関係
資料を準備され、とても分かり易い講座となりました。
講座前半は日本各地の火山噴火の特徴と火山災害の詳細(岩屑なだれ、
噴石、火砕流など)を解説していただき、スライドと動画を用いて
専門的な噴火災害について詳細に解説していただきました。
後半は、寒川を含む南関東地域における噴火と災害に絞った話で
この地域に影響を与える活火山として箱根山、富士山を挙げられ、
地質、火山形成史、噴火の過去、現在を詳細にお話をされました。
最後に南海トラフ地震と連動して将来、噴火の可能性がある富士山
について、江戸時代の宝永噴火を参考に降灰の影響を詳細に語って
いただきました。寒川近辺では噴火後、約2時間後に灰が到着し、
灰は、15cmほど積もるとのことです。降灰の影響は、健康面だけ
でなく、交通、通信インフラや上水道の浄化設備、等ライフライン
にも大きな影響を及ぼすことが分かりました。今回の講座を通して、
改めて火山噴火の怖さと火山災害から身を守ることの大切さを学び
ました。